病院設備 麻酔

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小さな子たちに、より安全な麻酔、より痛みの少ない疼痛管理を行うため当院では機器を導入し、高度な技術、知識をその子に提供できるように日々努力をしています。
当院では獣医麻酔外科学会の安全な全身麻酔を行うためのモニタリング指針、周術期における疼痛管理指針に準じています。
麻酔担当者を配置し、動物の麻酔深度や呼吸、循環、代謝などを可能な限り正常範囲に維持します。モニタリングは人の五感を用いて行い、かつ生体情報モニター機器で行います。

写真 まずは人の五感を駆使し、眼瞼や角膜反射、瞳孔の大きさ、心音と呼吸音、脈圧、心拍、脈拍、呼吸数、呼吸様式、可視粘膜の色調、毛細血管再充填時間、筋肉の緊張度などを確認します。
生体情報モニター機器では心拍、心電図、血圧(最高・最低・平均)、脈拍で循環系をモニターします。また、パルスオキシメーターのプレチスモグラムや酸素飽和度で酸素化をモニター。さらに、気道の確保による呼吸数、吸気呼気の酸素濃度、吸気呼気の二酸化炭素濃度、カプノグラム、吸気呼気の吸入麻酔濃度で換気をモニター、連続体温測定で体温をモニターします。
麻酔時のオールインワン生体情報モニターから、入院時、緊急時、往診時の生体情報モニター、簡単なパルスオキシメーターまで幅広く使用できるように準備しています。
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小さな子たちの術後疼痛管理も行っています。
術前から疼痛の予測を行い、そのレベルに応じて麻酔・疼痛管理プロトコールを計画します。疼痛の治療効果と全身麻酔の安全性を高めるために術前から術後まで「先取り鎮痛」を行います。さらに作用機序の異なる複数の鎮痛剤を組み合わせ、副作用を減らし鎮痛効果を高める「マルチモーダル鎮痛」を採用しています。術後は疼痛の評価を行い、個々に応じた治療を行っています。小さな子たちの痛みや不安が取り除かれるように努力しています。

写真 全身麻酔では気管挿管し、小さい子たちが安全に呼吸管理できるようにします。麻酔器には純酸素と吸入麻酔薬を混合し送ることができます。当院の麻酔器は人工呼吸器の切り替え時ポップオフバルブの開閉を行わなくてもよい様、メーカーに特別設計を依頼し、特注しました。麻酔事故を減らす工夫も行っています。
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麻酔用人工呼吸器も麻酔中の小さな子たちを安全に管理することができます。
換気モードがボリューム、プレッシャ、プレッシャリリーフから選択できる機器を当院では採用しました。
プレッシャリミッタ、一回換気量、吸気相時間が調節でき、トリガーにより補助呼吸機能もあります。
気道内圧の低下/上昇、駆動ガス圧低下、バッテリー低下、停電時対応、リリーフバルブなどの安全装備も充実しています。

写真 全身麻酔中は全頭で血管を留置にて確保し静脈点滴や薬剤の持続点滴を行います。
それにより麻酔中の血液循環の維持、血圧の安定化、薬剤の迅速な投与を行うことができます。
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写真 シリンジポンプは微量な薬剤を持続的に投与することが可能です。また、ウサギ、フェレット、モルモット、プレーリードッグさんに正確に微量静脈点滴できます。
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慣れない環境で小さな子が不安にならないように静かな快適な環境づくりを行っています。当院は小さな病院ですが、可能な限り他の子が気にならない環境づくり、適切な温度管理、入院ケージは毎回完全な清掃、洗浄、消毒を行っています。入院中は院長が当直し、深夜も巡回します。