治療例 うさぎ

写真 私の同期の先生からの紹介で、食欲なくお水も飲まないうさぎさんが来院しました。
レントゲン撮影にて腹部に胃、腸管内ガスが溜まっておりずいぶんお腹もいたそうです。
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不正咬合による口腔内損傷も疑い無麻酔で口腔内を観察しました。
無麻酔で見れる範囲内の臼歯に異常がありませんでしたが見えない奥の臼歯を確認するためにレントゲンを撮ることにしました。
すると、向かって右側の下顎臼歯、舌側にとがった形状が確認されました。

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上顎切歯の歯根周囲に骨硬化像、上顎と下顎臼歯根尖部周囲の骨膨瘤が認められます。
この所見は不正咬合の子に認められる所見です。

写真 身体所見、便検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査等から歯牙疾患が主病変と考え、全身麻酔下で口腔内の観察と処置を行うことが良いと考えました。飼い主さんにお腹の状態も悪く麻酔のリスクも中等度あることをお話しし、そうすることに決めました。
すると歯がとがっているのが見えました。その先端が舌の根元を切り裂いていました。
これが痛くて食べられなかったんだね。
麻酔後の胃腸機能低下もなく、このことがすべての原因だったのですぐに食欲が回復してきました。不正咬合を減らすため食事療法も行い頑張っているうさぎさんです。