治療例 モルモット
モルモットの白血病

クリスマスも終わり、みんな元気で年越しを迎えてほしいと考える頃でした。
元気なくおなかの調子の悪いモルモットちゃんが来院しました。
その子の目には力がありません。
飼い主様はできることはすべて行っており、小さな命がすぐに消えてしまうことを理解していました。
最後にできることを探しに当院へ来院されました。
すぐに身体検査、便検査、臼歯過長がないか口腔内検査、腹部超音波検査を行いました。
すると超音波検査にて腹腔内に通常にはない血流の豊富な腫瘤が複数見つかりました。
この段階で重い病気によりおなかの調子が悪いことが推察され、単純な胃腸機能障害ではないつらい状況を飼い主様と確認しました。
私も飼い主様も胸が締め付けられる思いでした。
つらい気持ちのまま、腹腔内腫瘤に超音波ガイド下にて針生検を行い顕微鏡でとれた細胞を確認しました。
細胞はリンパ球系の腫瘍でした。

その日は検査による疲れもあり、この段階でステロイドによる抗癌治療をスタートし、2日後さらにレントゲン検査と血液検査を行うこととしました。
治療の効果が表れない場合は2日後にはもう会えないことも覚悟しました。
2日後、治療の効果が表れ、久しぶりに食欲もあり、下痢だった便が正常に戻ってくれました。
飼い主様と一緒に喜びました。
レントゲン検査ラテラル像にて胸部前縦隔リンパ節腫大により気管が背側に変位しています。

レントゲンVD像です。
骨盤の横にレントゲン不透過性の腫瘍が2つ確認されます(矢印).

血液検査は撓側皮静脈から行いました。
その結果、白血球数が34万/μℓと高値で白血病を呈しており貧血、高カルシウム血症、肝機能低下と肝障害がありました。
飼い主様とこの状況を受け入れ、モルモットちゃんに負担の少ない治療方法を選択されました。
ステロイドは状況悪化時に使用することにし、メインに別の抗がん剤を使用しました。
このお薬は日本未発売ですが飲み薬という利点があります。肝障害や好中球減少の最下点が予測しづらい問題もほかの動物種で発生します。
モルモットちゃんはその後、食欲もあり、抗がん剤の副作用も認めませんでした。
そして飼い主様と残り少ない貴重な時間を過ごすことができました。
診察中も飼い主様の笑みがこぼれ、モルモットちゃんも元気な様子が見受けられました。
やがて、熱が出る日もあり、治療から2か月で息を引き取りました。
亡くなった体はそれほど痩せてはいなく穏やかでした。
この子がほかのモルモットちゃんの治療に役立ってほしいとの飼い主様の思い、ご協力で亡くなった体の中を診せていただき確認することができました。
このモルモットちゃん、飼い主様ありがとうございました。わたしも一緒に悲しみ、苦しみ、そして元気をもらうこともできました。
モルモットの卵巣嚢胞と子宮内膜過形成

元気がなく、食欲も低下した血尿のモルモットちゃんです。
モルモットちゃんは膀胱炎や尿石症が多い中、生殖器疾患も発生します。
この子は血尿だけではなく貧血、腹囲膨満、外部生殖器の肥大もありました。
よってレントゲン検査を行ったところです。
腹部の腸管の変位と左右両側の占拠領域を認めました。

レントゲン右ラテラル像でも腹部中央に大きな占拠物を認めました。
超音波検査にて卵巣と思われる大きな嚢胞と子宮内の出血と思われる液体貯留を確認しました。
血尿は泌尿器からの出血ではなく、子宮からの出血を強く疑います。
お腹の嚢胞が腹部を圧迫し消化管のガスが溜まり始め食欲を低下させ、子宮からの出血が貧血を招いています。
治療の方法としていくつか提示しましたが飼い主様は一番有効な外科手術を選択されました。
状態も良くなく、高齢でもあったので麻酔のリスクも高いのです。
飼い主様はとても不安だったと思いますがすぐに手術を任せていただきました。
私も不安でしたができる限りの準備等を行い手術に臨むことになりました。

全スタッフの力を借りて高齢のモルモットちゃんを支え、この子も頑張り、手術は無事終了しました。
子宮と卵巣を切除し皮膚腫瘍も切除することができました。
術後当日から食欲もあり痛む様子もありませんでした。
よく頑張ってくれました。
レントゲン像は術後の画像で腹部にある白いものは卵巣摘出時に使用した血管止血用のチタン製ヘモクリップです。
体内に残しておくよう作られています。
現在は血管シーリングシステムを用いています。

病理検査結果は卵巣嚢胞と子宮内膜過形成でした。
卵巣嚢胞が子宮内膜を変化させ持続的に出血させていました。
高齢のモルモットちゃんは元気になり体重もどんどん増えていきました。
その後、1年半、食欲旺盛のまま寿命をまっとうしました。
亡くなるその日まで私に治療のすべてを預けていただき、私のもつ全ての力を発揮する場を与えていただきました飼い主様に深く感謝いたします。
このモルモットちゃんは寿命をまっとうするまで力強く生きてくれました。
この思い出は一生忘れられない私の宝物です。
モルモットの尿石症

高齢のモルモットさんが来院しました。会陰部に腫れがあり触ると痛がっていました。
触診とレントゲン検査で尿道に大きな尿石がありました。それにより痛みがあったようです。
会陰部を切開して取り出すことにしました。

やはり大きな尿石が摘出されました。
尿道部はデリケートな部位のため術後軽度の感染がありましたがそれも収まり、今は痛みもなくなったようです。
痛みから解放されたモルモットちゃん、よかったね。
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